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（1997年11月20日号） |
 特集「思い出のユースホステル・第２弾」 |
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時の流れがフト止まるような思い出はありますか。素晴らしい風景と懐かしい顔。そんな思い出が明日への糧となり、新しい旅の始まりなのかもしれません。 出会いは別れの始まりですが、別れは新しい出会いの始まりです。新しい出会いを求めて旅に出ましょう。今号の特集も前回好評の『思い出のユ−スホステル』の第二弾です。  《グルメ三昧 ろくごうふらりんＹＨ》元は「とほの宿」の北海道にあるＹＨですここの食事は凄い。夕食にメロン（しかも赤肉）が一人に半玉、しかも、ブランデ−が少々付いて、メロンの中にブランデ−を入れて食べたのがとても美味しかった。朝食も素晴らしく、ホテルのバイキング顔負けで、中華の朝粥を始めチャ−ハン・和食・洋食いろいろです。朝からこんなに作ると思うほど。しかも、バイキングだから食べ放題。あまり美しくないＹＨではあったが、とにかく食事がすごかった。 《日本の中の外国 日光大谷川ＹＨ》怪しげな言葉が飛び交い、外国のホステラ−が多くいて、いつでも国際交流ができますなかには、日本の時刻表を翻訳させられている鉄道ファンもいました。 ご飯がとても美味しく、ボリュ−ム満点です。コ−ヒ−や紅茶はただで、飲み放題なのが嬉しかった。また、乗り物の貴重な展示品があり、ファンは一見の価値があります。 【編集部注】栃木県のＹＨにおける外国人の宿泊割合は、三五％で全国一の高い比率です三人に一人以上は外国人ホステラ−という計になります。 《南半球の温泉地 ロトルアＹＨ》ニュ−ジ−ランドのロトルアＹＨ。オ−クランドから土ボタルで有名なワイトモケ−ブを通ってバスで１日かかる所にあります。近くに温泉もあるので気に入りました。 《世界最初のＹＨ アルテナＹＨ》ドイツのアルテナという小さな町に世界で最初のＹＨがあります。古城を利用した20人程度のＹＨです。 私が泊まった時は15人程度の小学生の団体と遭遇し、折り紙教室やいっしょにハイキングに行ったりして楽しい時間を過ごしました 小さな町の小さなＹＨでの小さなホステラ−達との、大きな思い出です。 《ＹＨらしくないＹＨ 益田七尾公園ＹＨ》二十年以上も前の話になりますが、島根県益田市に当時としてはＹＨらしくないＹＨを訪れたことがあります。 一泊二食で一四五〇円の時代に夕食はすきやきの食べ放題。風呂は大きくはないが珍しい「五右衛門風呂」。夜は消灯時間がありません。結局泊まり合わせた30人で夜二時過ぎ迄当時大流行の大貧民大会となりました。 ペアレントのおばちゃんが作ってくれたすきやきを超える味に出会ったことは二十年以上経った今もありません。 今、あの時のペアレントとホステラ−はどうしているのでしょうか。 《日本・最東端の仲間 根室トモシリＹＨ》私は平成五年、年末年始の五日間に北海道へ行き、根室トモシリＹＨには12月31日・１月１日と連泊し、初日の出を見ることが目的でした。 一人旅で不安だったが、ＹＨに行き忘年会初日の出ツア−など思いがけない出会いを手に入れる事が出来ました。そして、ツア−以外でも皆で次の日、釧路湿原を周り、計画外の素晴らしいアドリブができ、仲間も作れて今でも年に何回か再会しています。 ＹＨの食事も皆に郷土料理的寄せ鍋やイクラ、花咲ガニのてっぽう汁など。正月に泊まった事により、お雑煮、年越しそばなどが出て食事も良かった。 《私をＹＨの虜にした まなべ三虎ＹＨ》ある冬の事です。瀬戸内海からの初日の出が見たくて、「まなべ三虎ＹＨ」を訪れました。そこで、出会ったのは、タコと戯れる釣り人、夜更けまで熱く語ってくれるペアレントのおじさん、気さくな常連さん大笑いをさせてくれたホステラ−、海を眺めながら食べたお好み焼、甘酸っぱいみかん等々。 何もない小さな島だったはずなのに、なぜか思い出すことはたくさんあります。この時に改めて、ＹＨと旅の楽しさを教えてもらった気がします。結局、初日の出は拝めませんでしたが、そんなことはどうでもよく思えました。 それからというもの、ＹＨの魅力にとりつかれてしまった自分が今日に至ります。 《食はここにあり 隠岐ノ島ＹＨ》食事が良い。ＹＨのすぐそばで捕れた新鮮な魚介類が食べきれない程たくさん夕食に出される。施設はボロいが、ペアレントの人柄が良いのが印象的であった。 《摩訶不思議な世界バンコクインタ−ナショナルＹＨ》魅惑と誘惑と危険と、様々なものが混在する街バンコクでしたが、ＹＨのスタッフはいろいろな事を親切に教えてくれて、安心して滞在することができました。 |
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「私的 世界旨いものめぐり」 |
（前回までに、「味付けを全くしていないビーフステーキ」や食べ切れないほどのフィッシュ＆チップスにイギリスで遭遇した。） ＜口直し地下鉄の苦すぎるチョコレート＞ロンドンの地下鉄の駅には、なぜか必ずチョコレートの自動販売機がある。ミルク、ビター、ナッツ、フルーツ………種類はいろいろだ。 観光で歩き回って疲れ、昼食を食べ損なった時、その時一枚しかなかったコインを販売機に入れてみた。が、チョコが出てこない！ヨーロッパではよくあることらしいが、おかげでその日の午後は空きっ腹をかかえて過ごすことになったのであった。 ＜眠れないバスでドーバー海峡を渡る＞ロンドンからパリへは直通の夜行バスがある。夜の十時発、朝七時着でなかなか便利、なはずだった。（ドーバー海峡は、バスごとフェリーで渡る。） ヴィクトリア駅前からベンツのマークの付いたバスに乗ると、運転手はフランス語をしゃべる金髪の若い男で、親指の太さくらいある二重（ふたえ）のネックレスを首から腹のあたりまで垂らしていた。何か嫌な予感がした。異常にノリの軽い男で、出発前は他の乗客たちとしきりにおしゃべりをしていた バスがターミナルを離れると予感は的中した。やおらカセットステレオにテープを突っ込み、耳をつんざくような音楽を鳴らしはじめた！乗客はおとなしい人ばかりで、誰一人文句をいうでもない。 一睡もできずパリに着くと、まだ朝の五時だった。例の運転手の辞書に「時間調整」の文字はない。十月のパリは凍えるほど寒い。地下鉄もまだ走っていない夜明け前の真っ暗な街に自分は放り出されたのだった。 |
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